遊◎機械はわたしがはじめてみた、いわゆる小劇場のお芝居です。(「マジックタイム2」でした。2年前くらいの新作のはどれもみれずじまいでしたが、だいたいみています。)
今回はチケット取りが本当に大変でした。先行予約がどれもだめで・・・。ちょっと油断してました。さねよしさんもでるっていうのにね。劇団予約をしとけばよかったな。
近鉄アート館はいちばん好きな劇場です。なんかすごく居心地いいんですよね・・・。
今回は一般発売でやっとこさ取れたのですが、なんとはじめて2階席になってしまいました。でも、これはこれで全体が見下ろせて、なかなか面白かったです。
もう、とてつもなくよい芝居でした・・・。
本音をいうと、実はあんまり期待してなかったんですよね。一連の再演のものが、あんまりしっくりとこなくって・・・。たしかに観はじめたときは山田のぼるくんは好きだったし、今も好きなんですけど、どうもぴんとこなくなってきたのです。ポンキッキーズも「フォルダ」みたいなのがでてくるくらいですからね・・・。だから、もうだめかな(・・・っていうのは、わたしにはあわないかなという意味ですけど。)と思って、ちょっと悲しかったのですが。
が、今回の芝居はわたしの心にぴたりとピントがあって、おはなしだけじゃなく、この芝居のもつ雰囲気、伝えようとしていること、表していることがそのままダイレクトに感じられた気がしました。もう、本当によくわかってしまって、わかりすぎるくらいわかってしまうのですが、全然いやな感じではないのはなぜなのだろうと思い、考えたのですが、きっとこれがわたしにとってうそではないこと、つくりごとではないことだからだと思いました。
おはなしのことでは、やっぱり人によって意見の分かれるのはラストだと思うので、思ったことを少し。
わたしもそれまではぼろぼろに泣きそうだったのですが、ナシカがアリカの息を止めるのにハンカチを水で濡らした方がいいと言い出したときは、「なんで、そんな展開にするの!?」と怒りのパワーで涙もひっこんだのですが、(なぜ瞬間的に腹が立ったかというと、それまでのシーンがきれいできっと助かるに違いないと思っていたし、もうちょっと人と人との関係はいいものだと思っているからだと思うのですが。)パンフレットをみて、この芝居がどういう人にあてて書かれたかはっきりわかったとき、おはなしとしてはその方がまとまりもいいような気がしても、きっとそういう風にはできなかったんだろうな。と思うようになりました。
一応飛びおりみたいなことだった(と思うんだけど)し、普通なら助かりっこないこと。自分が相手のためにと思っていても、相手はそう思ってないこともあること。人はいつでも生まれ変わることができること。
ちょっと矛盾してるけど、あのシーンをみて、いろんなことを感じました。
厳しいけれど、あのシーンがやさしいものだったら、立ち直れないなと思います。本当のことをちゃんと認めてから、自分がひとりだということを認めてからじゃないと、他の人のことを認めることはできないんだと思いました。
この芝居をみることができて、とてもよかったです。
さねよしさんはもう本当にすばらしかったです。それしかいいようのないくらいすばらしかったです。ただ、ズイルとマアジの男性2人が、どうもあってないような気がして・・・。どちらもしゃべりかたがあまり好きになれなかったんですよね・・。こないだの再演の「ムーンライト」のに比べたら、まだ許せる範囲なんですけど、いつものメンバーの息があってるだけに、すごく浮いちゃう様な気がするんですよね。客演の方ではなかなか難しいでしょうけど、なんとかあう方をみつけていただきたいです。
父の道楽のせいで工場が従業員の手に渡る。3人姉妹の長女アリカは一生懸命働くが、父も母も働かなくなり、アリカを頼るようになる。数々のいやなことにも耐えて家のために頑張るが、ある朝、アリカは子供に戻っていた・・・。
公演名:遊◎機械/全自動シアター「こわれた玩具」@近鉄アート館
公演日:1997.9.29(Mon)/S/J列51番
出演者:高泉淳子、白井晃、陰山泰、富浜薫、富岡弘、笹岡兄、原田砂穂、さねよしいさ子