98・6・20「遊◎機械/全自動シアター”食卓の木の下で”をみる。」

<わたしのこと>

 遊◎機械はわたしが最初に観た小劇場の劇団でした。「オーマイパパ」や「独りの国のアリス」は観れなかったのですが、あとはひととおりみたかなって感じです。

今回の新作は東京だけだったのですが、前作の「こわれた玩具」がすごく心に響いてしまい、この先がすごく気になったので、思い切って観に行くことにしました。

<劇場のこと>

 青山円形劇場。どんなところなんだろうと思っていたのですが、すごく落ち着いたいいところだと思いました。いい観客に観られてるんだろうなぁと思いました。関西でここと対をなすのは近鉄アート館なのでしょうが、ぜんぜん雰囲気が違います。アート館のほうが、くっきりはっきり冷たい(^^;)って感じ。それもすごく好きなんですけどね。

<思ったこと>

 いつもながらの遊◎機械の芝居…なんですけれど、浮かび上がってくるものは以前とは全然違うような気がします。ほんと、いつも同じような気もしないでもないんですけれど、でも違う。

高泉さんって、すごく自分の気持ちに正直に芝居を創る方なんだなぁって思います。いつもいつも、どうしようもなく、思ったようにしか書くことができないんだと思います。

だから、不安定な時もあったのですが、それでもその時思うことだけをそのまま描く高泉さんは、観ていてつらいのですが、信用できるような気がして、ずっと観つづけてきました。

その不安定さが前回の公演から変わったように感じました。(「アリス」は評判よかったようなんで、ここからかもしれないですが…。)「こわれた玩具」は高泉さんの「伝えたいこと」がとても強く伝わってきたのですが、今回の芝居は、高泉さんの気持ちの変わった様子がすごく感じられて、その変わっていく様子にわたしはとても感動しました。

今まではやっぱり家族のつらい状態はみないようにして、何も感じないように、考えないようにしてきたような気がします。それが、あの日、みんなでいっしょに笑っていた思い出を、それに縛られることなく、そっと包み込むように抱きしめて微笑んでるように感じました。すべてをちゃんとみつめて。その姿は、わたしにとってとても衝撃でした。

こんなにも美しく気持ちが変わっていくものならば、わたしもいつか信じられるのかもしれない。

本気で、そう思いました。

この芝居を観にいって、本当によかったと思います。これからも遊◎機械は観続けていきたいです。…と、いいながら、オーマイパパは観にいかないけど(^^;)。あぁ〜、関西にも来て欲しいよぉ。

<役者さんのこと>

 かなり神経質なんですけれど、「遊◎機械」の空気を持っている役者さんと持っていない役者さんというのをすごく感じてしまいます。今回はやや大丈夫といった感じですが、でも、思いっきり、満足ってわけでもなかったです…。初演の「ライフレッスン」のときは、何も思わなかったんだけど…。

<あらすじ>

 

<公演データ>

公演名:

遊◎機械/全自動シアター「食卓の木の下で」@青山円形劇場

公演日:

98・6・20(土)マチネ/F列41番

出演者:

高泉淳子、白井晃、深貝大輔、白木美貴子、富浜薫、原田砂穂