98・6・20「劇団四季”オペラ座の怪人”をみる。」

<わたしのこと>

 オペラ座の怪人はわたしが最初に自分で観にいった芝居です。91年、大阪リターン公演でした。

それまで、芝居って退屈なもんだと思っていたのですが、すごくよくって、びっくりしました。これはかなり仕掛けが派手な芝居で、そのせいも多少はあるかもしれないですが、怪人があまりに切なくって…。うるうるしていたところに、そのへんのおじさんみたいな人が泣いてるのをみて、芝居って、ほんとにすごいかもしれない。と思いました。

ですのでこの演目はかなりの思い入れがあります。前回観てから約3年。そろそろ観たいな〜と思っていたところに東京公演。東京は生オケということで、いつか行きたいな〜と思っていたところに遊◎機械。なんかとんとん拍子で決めてしまいました。近づくに連れ、メインの遊◎機械より、こっちのほうがめちゃめちゃ楽しみになってきたりして…(^^;)。

<劇場のこと>

 キャッツの仮設は別物として、通常のプロセニアムの仮設ってはじめてです。ちょっと、安っぽい感じもしないでもないかなぁ。MBS、嫌いだから、比べにくいけど。

前日予約に3分でつながり、引き換えてみると4列目のセンターブロック。あまりの幸せに、もう、息がとまりそうでしたわ(^^;)。

<思ったこと>

 そんな、幸せな状態から一転、あまりのことに愕然としました。

全部、わたしの主観なんですけれど、ちょっとあんまりだと思います…。

何が悪いって、みんな悪いような気がするんですけれど、まず、最初、音数が少ないように感じました。「オーバーチュア」とか、「ファントム・オブ・ジ・オペラ」とか。もっと、きらきらした音があったんじゃないかなぁ、ものたりないよ〜と思いました。テンポもよくないような気がしたし。なぜか、「オール・アイ・アスク・オブ・ユー」から持ち直して、後半はなかなかよかったような気がしますが…。とりあえず、主役の2人を含めて、とても好きな「ザ・ポイント・オブ・ノーリターン」がよかったのが救いでした…。

ただ、オケは席にもよるかな…と思います。あと、最初の生オケがすごく評判のよい飛天だったので、期待が大きすぎたのかも。(…そう考えると、オペラ座、飛天でやってほしいなぁ…。…どう考えても無理か(^^;)

生演奏ということで、歌のほうにも影響しそうですが、いいときはほんとにいいはず。MBSのテープの音に比べると、影響してでも生のほうが楽しみがあっていいと思います。

 

で、問題の主役ふたり。ふたりとも、なんなのあれは〜(;_;)。もうちょっと、大切に歌って欲しいです〜。まず、今井さんはすごく吐き捨てるように歌ってるように感じました。役作りかもしれないけれど…。でも、怪人はそうじゃないんだよ〜と思います。歌は上手いんだけど、なんか全然感情が感じられないです。段取りを追っているだけって感じで。…ま、1ヶ月じゃしょうがないのかなぁ(;_;)。ほんと、ファントム役者っていないからなぁ…。期待感はあるので、また1年後くらいに観てみたいです。

井料さんは、…いっぱいやってるんですよね〜。見た目が美人過ぎて、はかなげじゃない、すごく気が強そうに見えるっていうのもかなりつらいのですが、あの歌い方は好きになれません…。なんで、あんなにお口をぱくぱくあけて歌うのでしょうか。すごく声にむらがあるように思います。ほんと、ちょっとあんまりだと思います。そして、最後、きわめつけに、目の前で「おんなぁのこぉこぉろぉ〜」と歌われてしまっては…。くらくらくらと目眩がしました。想像以上でした。そのあと、何回もぶちゅぶちゅキスされてしまっては…。…はぁ。
希望としては「私の心〜」と静かに歌って、静かに1回だけキスして欲しい。です。

あと、二人のジリーがつらかった…。この二人はかなり重要な役ですからね…。マダムの凛とした感じがなかったのが、かなりつらかったです…。

やっぱり、長年やってる人とくらべてしまうとあれなんですけれど、安定感が違いすぎます…。ムッシュー勢とカルロッタ、ピアンジはよかったです。あのカエルはすばらしい…。「プリマ・ドンナ」好きなんですけど、とってもよかったです。

あ、ラウルを忘れてた…。こちらも、なんか、ねえ。ほんとに、お気楽能天気な金持ちって感じはしたのですが、それじゃクリスティーヌがついてく理由が…。でも、ファントムがあれじゃあ…。うーん。一応、石丸さんしかみてないのであれなんですけどねぇ。ああ、石丸さんのラウルがみたいな〜。アンデルセンが終わったんで、もしや。と思ったのですが、札幌ビーストのスターティングだったんですね…。あ〜ん。…岡さんのラウルってのも観たかったなぁ。きっと、今ならすごい迫力でしょう。それに匹敵する怪人はいるかなぁ…。

あ、話がずれてる。

とにかく、ちょっとやっぱりキャストは大事だと思います…。物語の力はすごくても。ほんとに役者さん次第ですよぉ。思い知りました。入るからといって、力を抜いちゃいけないと思います。ファントムは。逆の方向に行ってるような気がするのですが、これだけは、いつもベストでやってほしいです。

いろいろ好き勝手いってますが、思い入れが強いもので…(^^;)。観に行ったこと、後悔してませんよ。現実を知ってよかった。って感じ。また、必ず観に行きます。今井さん、上手くなってくれればいいんだけど…。…ひそかに芥川さん…とも思ってますが(^^;)。

<あらすじ>

 19世紀のパリ、「オペラ座の怪人」と名乗るものが、オペラ座を騒がす事件を起こしていた。彼はコーラスガールのクリスティーヌに心を奪われ、歌のレッスンをしていた。そこにクリスティーヌの幼なじみのラウル子爵が現われ、彼女に求婚したことから、怪人は嫉妬に狂い、次々に事件を起こす…。

<公演データ>

公演名:

劇団四季「オペラ座の怪人」@赤坂ミュージカル劇場

公演日:

98・6・20(土)ソワレ/4列20番

出演者:

オペラ座の怪人:今井清隆、クリスティーヌ・ダーエ:井料瑠美、ラウル・シャニュイ子爵:柳瀬大輔、カルロッタ・ジュディチェルリ:益満美江、メグ・ジリー:石倉康子、マダム・ジリー:西上菜穂子、ムッシュー・アンドレ:林和男、ムッシュー・フィルマン:佐川守正、ウバルト・ピアンジ:半場俊一郎、ムッシュー・レイエ:深見正博、ムッシュ・ルフェーブル:川地啓友、ジョセフ・ブケー:安福毅