98・9・10「演劇集団キャラメルボックス”ケンジ先生”をみる。」

<わたしのこと>

ご存知のとおり、わたしはZABADAKのファンです。2年前、キャラメルが音楽担当にざばを使うときいたとき、たいそう驚きました。そのときとてもみたかったのですが、観れなかったので、今回とても楽しみにしていたのです。

<劇場のこと>

新神戸オリエンタル劇場です。とても観やすくて、いい感じで、今一番好きな劇場かも。難点はうちから遠いこと…(;_;)。

この演目は関西でははじめてで、日も短いということで、即日完売。わたしはS席がとれませんでした。流れでとろうかとも思ったのですが、3階席がどんなものか興味があったので、試してみました。・・・なにしろ、目的は音楽(^^;)。

3階席は2列しかなく、2列目だったのですが、てすりにもたれて観る人がいて、かなり観づらかったです。これ、MBSでも問題になっていたようですが。…わたしも夢夢でてすりにのりだしてみていたので、これがとっても観やすいのは知っているのですが、このときはS席には人が2人しかいなかったんだもん(^^;)。満席のときはやめて欲しいです。迷惑だって、知らないのかなぁ。

これさえなければ、わたしは3階席でも構わないです。すごい角度で観ることになりますが、とりあえず1階のうしろよりは好きです。

<思ったこと>

2年前のレビューは読んでいたのですが(読むだけじゃなくって、書いたし。いろいろ。)、あんまり覚えてなかったので、ほとんどまっさらの状態で行きました。

音楽はてっきりかかるもんだと思っていたのですが、まさか、歌うとは。びっくりしました。

でも、歌うこと自体には違和感がなくって、よかったと思います。ただ、やっぱりみんなすごい一生懸命しゃべって力いっぱい演じるので、最初、ついていけませんでした。なんかね、おいてけぼりーって感じなの。正直、このままずっといくとつらいなぁ〜と思っていたのですが、「双子の星」くらいからすごく求心力がでてきて、引き込まれました。わたし、もともと「賢治の幻燈」は好きで、その中でも「Prologue」と「双子の星」はもうほんとにとても好きだったのです。わたしは何が好きかって、吉良さんのつくるこの曲のこの音使いが好きなのです。もう、自分でもどうしようもないくらい強く。それだけ好きなので、変に使われると許せないのですが、このシーン、そして、次の「サザンクロスの彼方まで」、すごくよくって、嬉しかったです。「サザンクロス〜」の詞、すごくいいですね。「エピロヲグ」よりこっちで覚えてしまいそうです。

ただ、「遠い音楽」からの曲と、のれんわけ以後の曲をまぜるのはあんまりよくなかったとわたしは思います。これって、ほんとに全然違うから、なんかいきなりで、統一感が…。できれば、全部以後の曲をつかってもらいたかったものです。上野さんの美しい歌声がオリエンタルで聞けたのはうれしかったけど。(原マスミさんの歌が聞けたのもうれしかったな〜。「あっ!マスミさんだ!!」と思ったもん。)

…なんか、何の話かわからなくなってきましたが(^^;)。結局すごく引き込まれてしまって、やっぱりキャラメルは強いな〜としみじみ思いました。

本音をいうと、わたしざばとキャラメルの組み合わせって、いまいち納得できなかったんです。この話を聞いたとき。スパライラル・ライフはわかるんだけど。
今回ようやく観ることができたのですが、すごくよくできていて不満は全然なかったのです。でも、まだ、なんかキャラメルがざばを選んだ必然っていうのは、みつけられなくって。なんかひっかかったまま帰りました。

で、帰って、ざばのアルバムを聴き倒したのですが、テーマ曲にあたるだろう「不思議な先生」の原曲「休まない翼」を聴いて、やっと、ああ!と思いました。「ケンジ先生」のライナーノーツの成井さんの文章に唯一でてくる曲。この曲を聴いて、ほんとにすっごくわかったような気がしました。これって、キャラメルだよなぁって。わたしなら、「桜」を聴けば、「五つの橋」と「Psi-trailing」をとってしまいますからねぇ…。(しかもそもそも「prunus」を聴いてしまいますからねぇ…。わたし。あんまり、上野さんの打ち込みのセンス、好きじゃないんです。全体的にすごく音が硬いし。)何を選ぶにしても、その人それぞれの必然というものがあって、そっか、きっと吉良さんのこういう部分があうんだろうなぁっていうのがすごくよくわかったようで、面白かったです。

<その他のこと>

初演のレビューで、客入れにいろいろかかっていたと読んでいたので、わたしにしてはすごくはやく劇場に向ったのですが、かかっていたのはニューアルバムの曲…(;_;)。まだ聴いてなかったんですけど…。まあ、ここ3枚、3回以上聴いていなかった不安がちょっとなくなったのはよかったですが、でもなんだかんだ言って買ってただろうからなぁ…。これ、発売前でもかかっていたんですかねぇ…。せっかくだから、加藤さんの選曲のベストをやってもらいたかったなぁ。

で、ちょっとぼーっとしていたら半券をなくしてしまい、席がわからなくなってしまいました。おまぬけさまです・・・(;_;)。みなさんすごく親切に対応してくださって、ありがたかったです。該当の席が開演前に全部埋まったので、無事座ることができました。ほんとにお手数をおかけして申し訳なかったです。

<あらすじ>

時は西暦2098年。この時代には学校というものはなくなっていて、こどもたちはパソコンに向かって勉強をしていた。夏休みの終わり、宿題をたくさん残してしまっていたレミの前にあらわれたのはケンジ先生。それはおばあちゃんがレミのために買ってくれた、中古の先生アンドロイドだった。

<公演データ>

公演名 :

演劇集団キャラメルボックス「ケンジ先生」@新神戸オリエンタル劇場

公演日 :

98・9・10(木)ソワレ/3FA列7番

作・演出:

成井豊/成井豊+石川寛美

出演者 :

山田幸伸、中村亮子、田尻茂一、大森美紀子、石川寛美、前田綾、津田匠子、明樹由佳、川原正嗣、前田悟、船橋裕司、大林勝、西川浩幸